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お知らせ

創業体験③ ~事業を始めるまでの失敗と気づき~

マーケティング戦略の策定に取りかかる

競争力のある経営コンサルタントになる課題を見出すには、マーケティング戦略の策定プロセスに沿うことが近道だと考えました。マーケティング戦略は、SWOT分析など外部環境・内部環境を分析することから始めます。SWOT分析で大切なことは、情報の量ではなく、競争に勝ち、売上を増やす課題の抽出に役立つ情報を収集することです。そこで私は情報収集の焦点を絞りました。①経営コンサルタントの需要が伸びる要因と逆に減少する要因、②経営コンサルタントを行う上での私の強み、弱みを明確にする、という2点です。そしてそのうえで、仮設・検証のアプローチをとりました。まず、経営コンサルタントの需要が伸びる要因と逆に減少する要因を、思いつくままあげました。それぞれ5個以上あげることを目標にしました。そして、あげた要因が客観的に裏付けることができるか、情報を収集し検証しました。このように仮設を立てたのちに客観的な情報で検証する仮設・検証のアプローチは、収集した客観的な情報を効果的に戦略に組み込み、活用できる利点があると思います。
次に、経営コンサルタントを行う上での私の強み、弱みについてです。自分自身のことは意外にわからないものです。頭の中だけで考えても具体的にできません。そこで、これまでの経歴、経験、資格を書き出し、得意なこと、苦手なことを抽出しました。このとき、大阪経済大学に提出した履歴書が役に立ちました。さらに、ストレングス・リーダーシップ(日本経済新聞出版社)という本を買うとネットを通して自分の強みを診断してくれることを知り診断してもらいました。こうやって私なりに外部環境、内部環境の分析を進めました。

中心顧客を明確にする

SWOT分析で収集した情報にもとづいてクロス分析を行います。経営コンサルタントの需要が伸びる機会に対し私の強みが発揮できる分野、経営コンサルタントの需要が減少する脅威に対し私の強みを活かして対抗できる分野などの検討を通じて、重点分野、中心顧客を明確にします。といっても顧客は中小企業経営者ではないか、と思ってしまいますが、これだけでは、中心顧客を明確にしたことにはならないのです。どの地域の、どのようなニーズを持っている中小企業経営者を対象にするかを明確にする必要があります。
対象地域は、私の想い、生活スタイルに密接に関連します。私は、生まれ、育ててもらった地域の活性化・発展に貢献したいと考えていました。ですので、対象地域は、兵庫県、大阪府が中心になります。また、生活スタイルから、活動拠点は自宅がある兵庫県明石市に置くことになります。明石を拠点に、兵庫県、大阪府を中心に経営コンサルタントを行う活動イメージが明確にできました。
次は、どのようなニーズを持っている中小企業経営者を対象にするかです。外部環境の分析から、中小企業経営者の高齢化と事業承継問題、少子高齢化に伴う日本国内の需要減少、ネット社会のさらなる進化といった環境変化から、経営革新、新事業の展開といったコンサルニーズが増えると考えました。私の強みが活かせるかどうかも重要な要素です。
その結果、①ビジョンによる経営革新を進めたい、②ビジョンや事業計画を実現するために優先課題を選択し実行に移したい、③第一次産業と連携して新事業を展開したい、というニーズを持つ中小企業経営者、農林水産業法人を中心顧客にすることに決めました。

中心顧客のニーズに応える仕事のスタイルが浮かぶ

中心顧客のニーズに応えることができれば仕事は増えます。そのためにどうすればいいか、最も大切なポイントです。そこで私は中心顧客の経営者像を考えてみることにしました。私が思い描いた中心顧客の経営者像は、現状を打破しようと情熱をもって経営革新に挑戦する経営者。結果を求めながら、すぐには結果が出ないことを理解している現実的な経営者。そして、地域に貢献する使命感を持っている経営者です。この中のどれか一つでも持っている経営者であれば、売上や従業員といった会社の規模は関係ありません。私はぜひ一緒に仕事をしたいと考えました。そして、私が提供できることは、短期、中期に分けるべきだと考えました。短期的には、混迷する現状から抜け出し、将来に明るさを見出してもらうこと。山積する課題を前に実行スピードがあがらない状況を脱し、優先課題を決定し実行までもっていくことで実行力を高めることです。そして、中期的には、売上・利益のアップや新事業を軌道に乗せる結果に結びつけることです。そのためには、単発的なコンサルではなく、経営者と信頼関係を構築し、継続的に支援することが必要ではないか、と考えました。そして、浮かんだ仕事のスタイルが、社外取締役や顧問として、会社に入り込んで支援する、というスタイルでした。