新たな価値で、未来を照らす。

お知らせ

創業体験⑦ ~事業を始める前の失敗と気づき~

ニーズに応えることができる強みを端的に発信する

社名は「誠光パートナーズ」、経営理念は「一隅を照らす」、行動指針は「感謝の言葉までが仕事」と固まり、ホームページに反映しました。ですが、顧客に対する訴求ポイントがしっくりしません。言葉を羅列しただけで、顧客への訴求力、シャープさに欠けるように思えてなりません。そのとき、養成課程の先生をつとめる中小企業診断士の方から、ホームページには、自分の強みを、端的に最大限表現すべきで遠慮してはいけない、と言われました。この言葉に背中を押され内容を見直しました。中心顧客は、①ビジョンによる経営革新を進めたい、②ビジョンや実行計画を実現するために優先課題を選択し実行に移したい、③第一次産業と連携して新事業を展開したい、というニーズを持っています。これらのニーズに共通している取り組みは、①未来を描く、②優先課題を選択、の二つだと考えました。そして、その二つの取り組みに私の強みがどう活かせるかを端的に伝える内容にしました。

名刺製作のデザイナーの提案を活かす

ホームページの製作よりも若干先行して名刺の製作に入りました。名刺も重要な情報発信ツールです。これまで多くの名刺を交換してきた経験から、私なりにこれはいい名刺だというイメージを持っていました。それは、①最初に手にしたときの手ざわり(紙質)の良さ、②会社ロゴが印象的でスマートなこと、③記載されている内容が、ユニークでわかりやすいことです。幸い、後日、ホームページの製作を依頼する養成課程の仲間が名刺のデザイナーを紹介してくれました。私の場合、結果的にホームページと名刺の製作を同じ方を窓口にすることになりましたが、ホームページと名刺を同じ方にプロデュースしてもらう形は、ホームページと名刺のコンセプトが統一できること、一方で出た提案をもう一方にも反映しやすいなど、利点が多いことを実感しました。
さて、名刺の製作ですが、かなりデザイナーの方に無理を言いました。受け取ったときの手ざわを良くするため紙質にこだわったことで色や文字の鮮明度を保つことが難しくなりました。ロゴは社名と同様会社の顔になると考えていたので、社名や経営理念にマッチするデザインをリクエストしましたが、私が社名や経営理念をなかなか決めません。デザイナーもたまったものではなかったと思います。ですが、デザイナーは、私の意図を汲んで、ロゴをデザインしてくれました。混迷する中小企業の置かれた現状をグレーで、そこにコンサルによって未来に光が差し込んでくる状況を赤と橙色で表現してくれました。さらに、会社の英語表記を提案してくれました。「せいこう」という呼び方は、世界に誇る時計ブランドと同じです。そのブランドと表記が同じにならないよう「i」は人をイメージして小文字に、「コ」は「KO」ではなく「CO」としてくれました。余談ですが、ホームページのURLは英語です。その点を考えれば、顧客が最初に目にする社名は日本語表記ではなく英語表記なのかもしれません。海外で事業をしていなくても、英語表記は会社の顔として重要な要素だということに気づかされました。こうやってデザイナーの数々の提案によって名刺の形ができあがってきました。が、名刺に載せる内容を決めかねていました。経営コンサルタントの名刺には、顔写真や経営理念、取得資格や所属団体などが記載されているものがあります。私も最初は同じようなことを名刺に載せることを考えていました。しかし、ここでもデザイナーから提案をいただきました。名刺と並行してホームページを製作しているから、名刺に載せたい内容はホームページに譲って、その代わり、名刺にホームページにアクセスするQRコードを載せてはどうかという提案です。名刺のQRコードを読み取ればホームページ。スマートだと思い即座に決定しました。また、印象に残る名刺にするため色をつけました。色は私が長年勤めてきた会社のコーポレートカラーの赤に決めました。赤は、名刺だけでなく、ホームページの基調にもしています。こうして、名刺デザイナーの数々の提案のお蔭で愛着が持てる自慢の名刺ができあがりました。

家内に撮影してもらった動画をホームページに載せる

2019年(令和元年)12月に入って、ホームページの製作者からホームページに掲載する写真を提供して欲しいと言われました。ネクタイをしている写真とネクタイをしていない写真を交えて5ポーズほど出して欲しいということです。スマホで撮った写真でも構わないということでしたが、私はプロに撮影してもらうことにしました。ただ、写真だけでいいのだろうか、という考えがよぎりました。ホームページから発信する情報は、文字と写真が基本です。しかし、文字や写真では伝えられない情報があります。それは声、話し方です。声、話し方によっても人物評価は変わります。この際、私を知ってもらうためには何でもやってやろう、という気持ちになっていたこともあって、自己紹介動画の撮影を考えました。製作者に相談すると、動画をホームページに載せることは可能だということです。ですが、プロに撮影してもらうとかなり費用がかかるということです。ユーチューブに載せる撮影で十分ではないか、ということでした。しかし、ユーチューブに動画を載せた経験はありません。すると動画さえ撮影してもらえれば後の作業はやってくれるというのです。そこで、動画を撮影することにしました。
まず、動画を見る側の立場に立って考えました。話す時間は長くても1分。余程関心が高ければ別ですが、名もなき経営コンサルタントの自己紹介ビデオでは1分が限界だと考えました。話すことには多少自信があったのですが、1分以内というハードルは結構高いものでした。話す内容を欲張ってしまうのです。何度も原稿を書き直し、いよいよ撮影です。場所は自宅。新たに購入した三脚にスマホをセットして、誰もいない時を見はからって撮影に入りました。ですが、うまくいきません。照明機材がないので顔が暗くなってしまいます。さらに声が響いて自分の声とは違って聞こえます。あれこれ試しましたが一人では無理だとあきらめ撮影を家内に頼むことにしました。家内の前で話すことには照れくささもありましたが仕方がありません。家内も引き受けてくれましたが、手振れが抑えられません。照明や声の状態から撮影場所も二転三転。二人でああでもないこうでもないと何度も撮り直してようやく撮影を終えることができました。開業には、懐疑的な家内ですが、一方、私が中小企業診断士を取るための勉強をそばで支えてくれました。有形無形に助けてくれる家内に感謝しています。