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改革実行力の基盤になる5要素

会社改革を旅行にたとえると

改革の実行力の基盤について話す前に、会社改革を、旅行にたとえて説明したいと思います。
改革を進めるには、目的・目標を決める必要があります。旅行でいえば、北海道に行くか、沖縄に行くか、目的地を決めないと、何も始まりません。そもそも北海道と沖縄では、行く方向がまるっきり反対です。次に、目的・目標を達成するための取組み内容を決めます。旅行でいえば、飛行機で行くか、船で行くか、新幹線と飛行機を組合わせるか、を決めることと同じです。さて、目的、目標も、取組み内容も決まりました。いよいよ改革を実行に移すことになります。ですが、改革は一日で終わりません。時間がかかります。そのため、目的・目標に向かって順調に改革が進んでいるのかどうか、節目節目でチェックしながら進めることになります。旅行でいえば、旅行前に立てた旅程表を見ながら予定通り進んでいるか確認するのと同じです。

目的・目標は、ここに行きたいという想いを形にした「ビジョン・中期目標」。目的・目標を達成するための取組み内容が「戦略課題(経営課題)」です。そして、旅行に行くのが人であるように、改革を実行するのも人です。「ビジョン・中期目標」「戦略課題(経営課題)」を決めても「人」が動き出さないと進みません。「ビジョン・中期目標」「戦略課題(経営課題)」に共感し、それじゃーやりましょう、ということにならないと改革は進みません。これが「(組織の)一体感」です。旅行でいえば、目的地や乗り物、宿泊先、観光コースが決まり、旅行初日、皆でワクワクしながら、最初の乗り物を待っている状態です。
そして、いよいよ改革が実行されます。実行段階に入ると目的・目標に向かって会社が順調に進んでいるかをチェックするため「PDCAサイクル」を廻すことが重要です。「PDCAサイクル」を廻すためには順調に進んでいるかどうかを測定するメジャーが必要です。皆さまが、4泊5日のちょとした長旅に出たとします。日時や場所が明記された旅程表と現在の状況を照らして旅行が順調に進んでいるかを判断すると思います。それと同じように改革にもメジャーが必要になります。それが「KPI(Key Performance Indicator)」です。

改革実行力の基盤を要素ごとに検証

会社改革の流れでみてきたように、改革には、「ビジョン・中期目標」「戦略課題(経営課題)」「(組織の)一体感」「PDCAサイクル」「KPI」が必要です。そして、これらが改革実行力の基盤となる5要素です。
さて、コロナ禍によって、これらの改革実行力の基盤要素はどうなったでしょうか。基盤要素ごとに一つ一つ冷静に検証することが大切です。その大切さを説明するにあたって、会社を取巻く環境が想定外に変化したとき、一般的にどういうことが行われるかについて触れておきます。
そうです皆さまご存じの通り「戦略の見直し」が行われます。コロナ禍以前に決めた「ビジョン・中期目標」は見直す。それによって、「ビジョン・中期目標」に紐づく「戦略課題(経営課題)」をはじめとした内容も見直すことになるでしょう。この一連の作業が「戦略の見直し」です。しかし、コロナ禍では、「戦略の見直し」という言葉は危険です。その理由は、「戦略の見直し」という言葉には、コロナ禍で最も大きな変化を受けた「人の仕事」とその変化によって「(組織の)一体感」が低下している問題を見落とす危険があるからです。戦略さえ見直せば改革が前に進むと思ったら大きな落とし穴にはまることになりかねないのです。ですから、あえて改革実行力の基盤要素を明確にし、一つ一つ、冷静に検証することを提案しています。

さらに、コロナ禍の厳しさは、先行きが見通せないなかでこの「戦略の見直し」も容易ではないということです。時間をかければ先行きが見通せるかというあまり期待できません。だとしたら、時間をかけるより、手元にある材料で知恵を絞り、とりあえず答えを出し、前に進みながら、軌道修正するしかないでしょう。問題は、どんな材料が皆さまの手元にあるかということです。
手元にある材料が乏しく、納得できるものでないとしたら、皆さまも容易に答えを出す決断ができないでしょう。しかし、時間をかければ、「(組織の)一体感」が一層低下する危険があります。そこで、次回は、コロナ禍を乗り切るために手元に置いておくべき材料を提案し、皆さまの答えを出す決断を助けたいと考えています。

明石・神戸の中小企業の未来を照らす経営コンサル
誠光パートナーズ