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お知らせ

コロナ禍を乗り越えるための3つの経営課題

経営課題を絞り込む基準

会社の業績が良くない状態に陥ると問題や課題が山積します。やるべきことが多くて何から手を付けたらいいかわからない、忙しくて仕方がない、という声をよく聞きます。そのような状態のときは、問題や課題を絞り込む基準を見失っていることが多いのです。課題を絞り込み時に使う基準や方法はいろいろあります。代表的な方法は、影響度と難易度でマトリックスを作りそこに課題をプロットし優先順位をつける方法、あるいは、対処療法的な取組みを回避する方法としては、相関図を作成し根源的な課題(重要成功要因)を抽出する方法があります。どの方法にも共通していることは、どうしてその課題に取組むかについて論理的な説得力を高める効果があるということです。

それでは、現在のコロナ禍で、どういう基準で課題を絞り込めば説得効果を高めることができるでしょうか。現状は、先行きが見通せない混沌とした状況です。こうした状況で論理だった話を聞くと、理屈っぽくて癇にさわることがあります。混沌した状況で人に話をするときは、論理だった話より、それはそうだ、と抵抗感なく受け止めることができる話の方が説得力があるように思います。すなわち、「論理性」より「シンプルなわかりやすさ」が説得効果があると思います。

コロナ禍の現状と課題

「シンプルなわかりやすさ」という考えに立って、コロナ禍の現状と課題を考えました。現状、多くの会社、店で顧客が減っています。顧客が減少しているわけですから、事業を継続するにはこれまでにない新しい商品、サービス、販路を開発して顧客を獲得していくことが課題になります。
また、借入金が増え、赤字によって財務体質が悪化しています。悪化した財務体質の状態で、取引先や金融機関との取引を継続していくは、会社を取巻く関係者、すなわちステークホルダーとの信頼を維持することが課題になります。
さらに、IT、デジタル対応についてです。テレワーク、WEB会議、非接触型ビジネス、RAPなど、IT、デジタル対応のスピード、広がりは凄まじいという表現があてはまります。すでに取組んでいる会社も多いと思いますが、一方で、戸惑っている方も多いと思います。戸惑いの原因は、IT、デジタル化によるメリットが「腹落ち」できていないことにあると思います。確かに、中小企業は慢性的な人材不足に悩まされてきましたし、生産性向上の取組みも遅れています。しかし、コロナ禍によって売上は減少し、人的余剰感すら出ています。そうした状況で、IT、デジタル化によって業務を効率化すれば、雇用は維持できるでしょうか。長年勤めてくれた従業員の雇用が守れないようなIT、デジタル化にどんな意味があるのか、という考えが頭をよぎり、戸惑いの原因になっている、と推察します。とはいえ、IT、デジタル対応に躊躇している余裕はありません。モタモタしていると、改革の実行力がない、と思われる危険があります。そこで、IT、デジタル対応への戸惑いを払拭するためには、IT、デジタル化によって業務効率の向上プラス付加価値を高める仕事を見いだすことが課題になります。付加価値を高める仕事を見いだし人をシフトすることで雇用は維持できるのです。

シングルタスクで取組む

コロナ禍を乗り越えるための課題を整理します。
・顧客の減少に対しては、新商品・新サービス・新販路を開発する。
・財務体質の悪化に対しては、ステークホルダーとの信頼を維持する。
・IT、デジタル対応に戸惑いに対しては、付加価値を高める仕事を創出する。
以上が私が提案する「コロナ禍を乗り越えるための3つの経営課題」です。

経営課題を絞り込んだのちは、課題別に取組み内容を検討することになります。その際には、以前、私が提案したことを思い出してください。決して、一人で考えようとしないことです。「人」との対話を通して検討してください。また、3つの課題に同時に取組むようなことはしない方が良いと思います。優先順位をつけて一つづつ課題を検討し取組みを行うことをおすすめします。

皆さまは、シングルタスクという考えをご存じでしょうか。私などは、一つの課題に集中するより複数の課題を同時並行でやった方が良いと考える方だったので、このシングルタスクという考えを知ったときは正直戸惑いがありまし。しかし、マルチタスクはシングルタスクより生産性が低いことが実証されているのです。それは脳の働きの研究が進んだことと関連しています。ともかく、シングルタスクで仕事に取組むことを重視してしてください。ですので、3つの経営課題についても、取組みは一つづつです。とはいっても、一つの取組みに1年もかけていては話になりません。1ケ月1課題1取組み、3ケ月サイクルで3つの課題に関する取組みを1つは実施する、そして、次のサイクルに移る。このサイクルをどんどん速めれば、取組みの数は増えていきます。すなわち、会社の改革実行力がついて行くのです。

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